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不正競争防止法Q&A

不正競争防止法は何のための法律ですか?
この法律を一言で説明することは難しいです。
  知的財産法の一種と捉えられることがしばしばありますが、これは不正競争防止法が商品等表示の誤認混同・著名表示冒用・商品形態模倣行為に対する損害賠償・差止請求権を認めているためです。
  また、営業秘密漏洩行為に関する民事的救済措置についても定めており、営業秘密(ここでいう「営業秘密」とはノウハウ・技術情報も含まれます。)も一種の知的財産と言えるものも少なくないですので、知的財産法の一種と捉えることも可能です。
  但し、この法律には、外国の国旗の商業上の使用を禁止したり、外国公務員に対する収賄等を禁じる内容も含まれていることから、不正競争防止法が知的財産分野のみについて定めた法律と言い切ることは困難です。
 
実務上、不正競争防止法は、どのようなときに活用できますか?
第1に、商標法・意匠法等、特許庁の審査を経て商標権・意匠権として権利化されていない知的財産について、民事的・刑事的救済を得るために活用できます。
   第2に、権利化することが好ましくないノウハウ等の技術情報、権利化に適さない秘密情報の漏洩等について、民事的・刑事的救済を得るために活用できます。
   民事的救済を求める場合、通常の不法行為に基づく損害賠償請求と異なり、差止請求ができる点が、不正競争防止法を活用するメリットとなっております。
 
商標権・意匠権を取得しなくても不正競争防止法で損害賠償請求等ができるのであれば、あえて商標登録・意匠登録しなくても良いのではないでしょうか?
そうではありません。
そもそも、商標権・意匠権の登録があることは、そのこと自体、当該標章・物品等のブランドとしての価値を高めます。
さらに、訴訟になったときの主張立証の難易度も異なります。
商標権・意匠権に基づく差止・損害賠償請求等を行うときには、登録番号・目録を付せば、それらの権利内容が明確であり、あとはその登録商標と対象となる標章・物品等との同一・類似性を主張立証さえすれば、差止・損害賠償請求が可能となります。
これに対し、不正競争防止法により、例えば誤認混同があったとして差止・損害賠償請求をするときには、①訴訟を提起する者(原告)の本店所在地及びその周辺地域において、需要者に広く認識されていること(周知性)、②対象となる標章・物品等との同一・類似性に加え、③冒用者と被冒用者との間に、緊密な営業上の関係や同一の表示を利用した事業を含むグループに属する関係があると誤認させるような行為があったこと(混同惹起行為)を主張立証しなければなりません。
このように、訴訟上の主張立証の難易度を考えると、権利化する費用と時間があれば、商標権・意匠権を取得する方が望ましいです。
逆に言うと、商品サイクルが非常に短い商品・サービスの場合には、権利化しないことも選択肢として考えるべきでしょう。