麹町弁護士による企業法律相談

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信託のHPをご覧いただきましてありがとうございます。
まずは,皆様に信託の基礎知識をご紹介しましょう。

そもそも信託とは,どのようなものなのでしょうか?

 信託とは,財産を信託すること,法律的な表現をすれば,委託者が,受託者に対して財産の移転その他の処分をし,信託目的に従って,受託者が受益者のために信託財産の管理,処分をすることをいいます。
信託された財産は,信託財産といいます。
以下では,具体例で説明しましょう。

信託には委託者と受託者がいます。

 例えば,甲さんが所有する土地を乙信託会社に信託し,乙信託会社が,その土地上にテナントビルを建設・管理し,賃料収入を甲さんに交付する場合が,信託の典型的な活用例です。
この具体例の場合,甲さんを委託者,乙信託会社を受託者といいます。

信託では,受益者が信託受益権を享受します。

先ほどの具体例でいうと,甲さんは,乙信託会社から,賃料収入の交付を受けます。甲さんが交付を受ける賃料収入のように,信託財産から発生する経済的利益を受け取る権利を信託受益権といいます。
また,甲さんのように信託受益権を享受する権利を有している人を受益者といいます。

信託には,委託者が受益者になる場合と,委託者以外の第三者が受益者になる場合があります。

先ほどの具体例でいうと,委託者である甲さん自身が受益者となる場合を自益信託,委託者である甲さん以外の者丙さんが受益者となる場合を他益信託といいます。

以下、さまざまな信託の活用法をご紹介します。

信託はどのように活用できるのでしょうか?
信託の活用例 ― 遺言信託 ―

遺言信託とはどのような信託でしょうか?
遺言信託は,①遺言信託と,②遺言代用信託に分けることができます。
信託は,遺言によって行うことができます。遺言信託とは,遺言によって行う信託をいいます。
遺言代用信託とは,例えば,委託者甲さんが,生前にその財産を信託し,①甲さんが生きている間は,甲さんを受益者とし,②甲さんが死亡した後は,丙さんを受益者とする場合をいいます。

遺言代用信託はどのような場合に利用されるのでしょうか?
先の例で,遺言代用信託とは,①甲さんが生きている間は,甲さんを受益者とし,②甲さんが死亡した後は,丙さんを受益者とする信託であるとご説明しました。
つまり,遺言代用信託では,①委託者は,自分が生存中は,自分を受益者とすることができるし,②自己の死後における財産の利用・分配等の方法を生前に定めておくことができるのです。
このような遺言代用信託の特徴から,以下の2つの場合に活用されます。
 
遺言代用信託は,福祉信託に活用されます。
まず,甲さんは,将来歳をとって自分の判断能力が低下し,財産の活用ができなくなってしまった場合に備えて,自分の財産を信託し,甲さんが生存中は,自分を受益者とすることができます。
また,例えば,甲さんに障害者を持った子供がいる場合,自己が死んだ後もその子の福祉の保障を維持するために,自己の財産を信頼できる受託者に信託することができます。
このように,遺言代用型信託は,ご高齢の方の財産の管理や,障害者をお持ちの子供がいる場合,親が死んだ後もその子の生活や福祉を保障するために活用することができるのです。
このような遺言代用信託は,福祉型信託といわれます。
 
遺言代用信託は,事業承継に活用されます。
まず,甲さんは,将来歳をとって自分の判断能力が低下し,自分の会社の経営ができなくなってしまった場合に備えて,自分の有している株式の議決権を信託することができます。甲さんの判断能力が低下する前は,受託者は,甲さんの指示に従って議決権を行使し,甲さんの判断能力が低下した後には,受託者は,甲さんのために議決権を行使します。
また,甲さんが死んだ後は,甲さんの会社の後継者の指示に従って議決権を行使します。
このように,遺言代用型信託は,事業承継のために活用することもできるのです。