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行政不服審査法の変更

 平成26年6月に、行政不服審査法及びそれに関連する2つの法が制定・公布され、平成28年4月1日に施行されました。行政不服審査に関しては、実に50年ぶりの大きな改正となりました。
 
 行政が行った行為に対して不満がある人が、その是正・救済を求める法的手段には色々あります。
 皆さんが良く耳にするのは、行政訴訟、国家賠償請求ではないでしょうか。これらは、「裁判所に対して」行政が行った行為の是正・救済を求める手続です。
 これに対して、行政不服審査というのは、行政が行った行為に不満がある人が、「行政に対して」行政自身が行った行為の是正・救済を申し立てる制度の一つです。
 
 でも、何か違和感がありませんか?
 「行政」が行った行為に文句があるのに、同じ「行政」に文句を言って、果たして行政の行為の是正を期待できるのか?
 このような疑問は、もっともな疑問です。
 身内が行った行為については、図らずも“甘く”なってしまうのではないでしょうか?さらに言えば、実際に行為を行った者が知り合いであれば、偏見や思い込みが入ってしまうのではないでしょうか?
 そのせいかは分かりませんが、行政不服審査手続により行政の行為が是正されることは極めて低く、「文句を言っても無駄」という事態となっていました。
 具体的には、国に対する不服審査申立ての中で一番多い税金に関する不服申立てが認められる割合は10%〜15%(平成14年4月から平成24年3月までの不服申立てについての国税庁及び国税不服審判所の調査)、それ以外の不服申立てでは約7%に過ぎません。
 また、地方公共団体に対する不服申立てが認められた割合は、それぞれもっと少ないという状況です(詳細は、総務省のホームページにある行政不服審査制度研究報告書を参照。)。
 
 行政が行った行為に対する是正・救済の実効性を高めようという意図が今回の法改正の根本にあります。
 ですから、今回の法改正を見ていく際には、“どのような点で使い勝手が良くなったのか”という視点を持つとより理解が進むのではないかと思います。