第37号 平成29年12月01日

師走の候、お健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。
中村綜合法律事務所メールマガジン12月号(第37号)を配信いたしますので、ご一読いただければ幸いです(2017.12.1弁護士 中村雅男)。

□ 目 次 □

1.法律コラム:民法の約120年ぶりの大改正について~保証制度~
2.事務所セミナーのご報告
3.麹町グルメのご紹介 ③

 

1.民法の約120年ぶりの大改正について~保証制度~

今回のコラムでは、2017年7月3日のメルマガで予告しました民法の改正ポイントのうち、保証制度の改正についてご紹介いたします。
保証契約は、債権者にとっては、主債務者の支払の担保となるため有益な制度ですが、他方で、債務者の保証人にとっては、この契約を締結することにより、予想外に多額の経済的負担を抱えることになりうるなど、締結することを慎重に検討すべき契約です。
今回の民法の改正においては、保証人が予想外に多額の債務を負担することを防いで保証人を保護するための制度が設けられましたので、そのいくつかをご紹介いたします。

1 個人の根保証契約についての極度額の定め

例えば、ある人がアパートを借りる際に、借主の債務をその家族などの第三者が連帯保証することが条件とされることがあります。
この場合、借主が部屋を著しく汚損したり、長期間に渡り家賃の支払を怠ったりすると、連帯保証人は、連帯保証契約上、それらの借主の義務を全て肩代わりしなければならないものとされていて、予想外に多額の支払をしなければならない可能性がありました。
これに対して、改正後の民法では、賃貸借契約における借主の債務の連帯保証のような個人の根保証契約においては、保証債務の極度額(負担する上限額)を書面で定めることが求められ、極度額を定めない保証契約は無効とされます。
これにより、連帯保証人は、連帯保証契約書に記載された上限額の範囲内で主債務を保証すればよいことになりますので、予想外に多額の支払をしなければならないということが防止されることになります。

2 公正証書による保証意思の表示

例えばある人が事業資金としてお金を借りる際に、個人事業を営む友人などの第三者が貸金債務の保証をするということがあります。
これらの場合、現在の民法では、保証契約を書面で行う必要がある旨定められていますが、それ以外の要件は定められていません。
これに対して、改正後の民法では、事業のための貸金等の債務を主債務とする保証契約を個人が締結する場合には、単に書面によるのみならず、保証債務を履行する意思を表示した公正証書(※)を、保証契約締結の1ヶ月前までに作成しなければ、保証契約が効力を生じないこととされました。
この公正証書を作成する過程で保証人は保証契約締結意思を明確にすることができますので、保証人となろうとする者は、保証契約を締結するか否かを慎重に検討することができます。
※「公正証書」とは公証人がその権限に基づいて作成する公文書です。
ただし、公正証書による保証意思の明確化の規定は、保証人が法人の場合には適用されませんし、主債務者の取締役、主債務者の共同事業者、主債務者の事業に現に従事する配偶者などが保証をする場合にも適用されませんので(例えば、社長の会社で働く妻が、会社の債務を連帯保証する場合には、上述の公正証書により保証意思を表示しなくても保証契約は有効となります。)、その点はご注意下さい。
※「個人情報保護法」についてのコラムは、今月号はお休みとさせていただきます。

 

2.事務所セミナーのご報告

11月10日(金)、「人材定着を促進するための長時間労働対応」をテーマに、当事務所にてセミナーを開催いたしました。
長時間労働は生産性の低下、従業員の健康被害、企業の社会的評価の低下など多くの弊害を生み、昨今、深刻な社会問題となっています。
セミナーでは、当事務所所属の榎本久司弁護士が講師を務め、長時間労働を防止するためにはまず、「労働時間とは何か」ということを正しく理解し、雇い主が従業員の労働時間を正確に把握することが出発点であるということをお話いたしました。その上で、労働基準法等の労働関係法令における労働時間規制についての解説を交えつつ、長時間労働を防止するための具体的な対策についてわかりやすくご説明しました。
休憩時間中も参加者の皆様からは講師に対する積極的な質問がなされ、長時間労働や残業代に関する問題に対する関心の高さが伺えました。
当事務所では、来年以降も皆様の関心の高い分野についてこのようなセミナーを企画・開催していく予定です。
当メルマガでも随時ご案内してまいりますので、皆様のご参加を心よりお待ちしております

 

3.麹町グルメのご紹介 ③

今回は四ッ谷駅近くの「鮨 後楽」をご紹介いたします。
「鮨 後楽」ではランチタイム限定の「ちらし丼とあさりのお味噌汁」が大人気で、12時前にすでに店内は満席、入口には順番待ちの列ができています。
お昼のメニューはこの「ちらし丼とあさりのお味噌汁」のみで、お店にとっても自信作であることが伺えます。
ちらし丼はほんの少し甘めの寿司飯に中トロ、赤身、イクラ、白魚、イカ、エビ、白身、サーモン、とびっこ、かまぼこ、玉子など色とりどりの海鮮が豪華に盛りつけられ、見た目が美しいだけでなく、ボリュームもたっぷりです。お鮨屋さんですから、お刺身が新鮮でおいしいことは言うまでもありません。あさりのお味噌汁にはしっかり身が入ったアサリが沢山入っていて、寒い今の季節は体が温まります。
これだけのボリュームと豪華さでありながら、お値段は1000円とリーズナブルなので、行列ができるほどの人気なのもうなずけます。
お店の場所は、四ッ谷駅を出て新宿通りを麹町方面に進み、カフェ・ド・クリエがある角のビルの地下1階になります。
気軽なランチでありながら、豪華で本格的なちらし丼が楽しめるおすすめのお店です。
※「裁判傍聴のすすめ」のコラムは、今月号はお休みとさせていただきます。

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