メルマガバックナンバー46号 平成30年09月03日分
新秋の候、皆様におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
中村綜合法律事務所メールマガジン9月号(第46号)を配信いたしますので、ご一読いただければ幸いです(2018.9.3 弁護士 中村雅男)。
□ 目 次 □
1.法律コラム~家族信託で相続対策
2.ホームページリニューアルのお知らせ
3.民泊についてのご紹介
1.家族信託で相続対策
・いま話題です
私事ですが、今号のメルマガ記事を執筆しました弁護士金森健一は、法律事務所に併設されている信託会社「ほがらか信託株式会社」に所属して、今年8月で丸5年になりました。開業当時は、「信託」というだけで、“投資信託は損をするから結構です”とか“信託銀行さんと取引する程の資産はありませんので”などのお声を頂いてばかりで、「信託は信託でも、そういうものとは違うのに……」と歯痒い想いをして参りました。
それが、今はどうでしょう。
新聞やテレビ、雑誌でも「家族信託」を目にしない日がないくらい「信託」が注目されるようになりました。ようやく日の目を見た!という想いで胸がいっぱいで、毎日がワクワクして仕方ありません。
ただし、中には誤った情報も見受けられます。
そこで、今回は、家族信託をすでにご存知の方にも、今日初めて知ったという方にも、是非知っておいていただきたい、「家族信託と遺留分(いりゅうぶん)」についてお話しします。
・家族信託の例
家族信託は、親の認知症対策に有効と言われています。たとえば、ご主人に先立たれた高齢の奥様が将来老人ホーム等に入居することになったら自宅を売却して入居資金に充てようと考えているとします。もし、その奥様が老人ホームに入居しなければならなくなったときに、認知症がひどくなってしまっていたら、自宅を売却することはできません。そこで、そうなる前に家族信託をして自宅の権利を予め子どもに移しておくことで、必要なときに自宅を売ることができるようにしておくのです。
・信託をすれば遺留分を回避できる?
それでは、老人ホームに入居することなく、自宅を売ることもなく、奥様が亡くなったとしたら、自宅はどうなるでしょうか。このような家族信託では、自宅を誰に引き継がせるかを契約書に定めておきます。たとえば、信託が終了したら長男に引き継がせるなどと定めておくのです。それでは、この奥様に、自宅以外にめぼしい財産が無く、子どもが3人いる場合に、自宅を長男に引き継がせるとするのは問題ないでしょうか。
奥様の相続開始(死亡)後、長男以外の子どもが、自らの遺留分が侵害されたとして、信託の取消しと自宅の取り戻し(名義書換)を長男に要求してくるかもしれません(遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)といいます。)
信託をすれば、遺留分の適用を受けずに済み、親孝行しなかった息子や、音信不通の前妻との子に、相続させずに済むとの触れ込みで家族信託をアピールした一部専門家(と称する方)がいました。今でも、それを信じて顧客に信託の説明をする税理士の先生や保険の営業の方もいらっしゃるようです。
・あの人には絶対に渡したくない!?
たしかに、現在、裁判例が無い分野ではありますが、研究者の間では、信託への遺留分の適用を否定する見解はありません。実務家の大半もそれに賛成しています。
「あの人には絶対に渡したくない」―そのような想いを抱くに至るには、様々なことがあったとお察ししますが、信託をするだけでそれが叶うということはありませんので、ご注意ください。
2. ホームページリニューアルのお知らせ
このたび、当事務所のホームページを全面的にリニューアルいたしました。
従来、当事務所のホームページは1つでしたが、閲覧して下さる方の目的に応じて、必要な情報をより詳しく、わかりやすくお伝えするため、テーマ別に3つのホームページを新たに開設いたしました。
主に個人のお客様に当事務所をご紹介する個人(事務所総合)サイト、企業法務についての当事務所の取組みや取扱い分野をご紹介する企業法務サイト、そして、先月、先々月のメルマガでもご紹介しました、今注目の民泊に特化した民泊専門サイトです。
いずれのホームページにおいても、取扱い分野や所属弁護士のご紹介はもちろん、当事務所の弁護士による法律コラムや最新の判例紹介を順次掲載するなど、より一層充実した、皆様のお役に立てるサイトを目指してまいります。
ぜひ一度、ご覧下さい。
↓中村綜合法律事務所 個人(事務所総合)サイトはこちら↓
http://kojin-n-law.jp/
↓中村綜合法律事務所 企業法務サイトはこちら↓
http://www.n-law.or.jp/
↓中村綜合法律事務所 民泊専門サイトはこちら↓
http://minpaku-n-law.jp/#
3.民泊についてのご紹介
本メルマガでもご紹介させて頂いているように、当事務所は民泊のホームページを開設しています。
また、事務所内に民泊チームを設置し、民泊に詳しい弁護士が在籍しています。
以下、民泊チームの近時の活動をご紹介させていただきます。
・新聞へのコメントの掲載
平成30年8月11日付の日本経済新聞朝刊に、マンション管理規約に違反する民泊を差し止めるよう命じる東京地方裁判所における判決について、「マンション管理と民泊に詳しい」弁護士として、当事務所民泊チーム所属の安江克典弁護士のコメントが掲載されました。
記事は以下のURLよりご覧になれます。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34052150Q8A810C1CR8000
安江弁護士のコメント
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO34073540Q8A810C1CR8000
なお、記事全文をご覧頂くには、日本経済新聞電子版の会員登録が必要となります。
住宅宿泊事業法(民泊新法)が平成30年6月15日に施行され、民泊に関する判決等は今後増えていくことが予想されます。
・セミナーでの講演
平成30年9月29日(土)に、埼玉県住宅供給公社主催のセミナーにおいて、当事務所民泊チーム所属の弁護士が講演を行います。講演テーマは「民泊ビジネスにおける法的ハードルとトラブル事例・解決策について」の予定です。
当事務所の民泊チームでは、最新裁判例や実務の運用について研究し、お客様のお役に立てるよう努力してまいります。
■本メール中の文章は、全て一般的な情報提供のために掲載するものであり、法的もしくは、専門的なアドバイスを目的とするものではありません。
■本メールマガジンの配信停止をご希望の方は、大変お手数ですが空メールをご返信ください。
■上記以外の、法律相談などを本メールにご返信いただいても、一切対応いたしかねます。
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弁護士法人中村綜合法律事務所
お問合せメール:info@n-law.or.jp
〒102-0083
東京都千代田区麹町四丁目8番地
麹町クリスタルシティ9階
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