メルマガバックナンバー48号 平成30年11月01日分

深秋の候、皆様におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
中村綜合法律事務所メールマガジン11月号(第48号)を配信いたしますので、ご一読いただければ幸いです(2018.11.1 弁護士 中村雅男)。

□ 目 次 □

1.法律コラム~成人年齢引き下げはどの世代から?
2.事業承継勉強会のご紹介
3.民泊セミナーについて

 

1.成人年齢引き下げはどの世代から?

昨今、ニュースなどでも話題にもなりましたが、今年6月、民法が改正され、成人年齢が18歳となることとなりました。

この法律の施行日は2022年4月1日となっており、同日以降は、18歳で成人となりますが、そうなると、その段階で既に19歳の人などはいつから成人になるのでしょうか。また、そもそもそれらの影響を受けるのはどの世代からなのでしょうか。中学生や高校生のお子様をお持ちの方は特に興味がある内容かと思いますので、調べてみました。

改正民法では、成人を18歳とする一方、経過措置として、附則において、2022年4月1日に18歳以上20歳未満である者については、同日に成人を迎えると定めています。

これを具体的に当てはめてみると、以下のとおりとなります。

■現在の高校2年生以上 20歳の誕生日で成人(成人年齢20歳)
■現在の高校1年生   高校卒業後1年後の4月1日に成人(成人年齢19歳△か月)
■現在の中学3年生   高校卒業直後の4月1日に成人(成人年齢18歳△か月)
■現在の中学2年生以下 18歳の誕生日に成人(成人年齢18歳)

このようにみると、2022年度は、まず4月1日に、現在の高1と中3の世代が一斉に成人し、同じ年度内に現在の中2の世代も順次成人することになるので、3つの世代が成人を迎える年度ということになります。
そうなると、例えば、現在高1の兄と中2の妹がいるといった家庭では、兄妹の両者が同じ年度に成人を迎えるという奇妙な現象が起こりそうです。

成人年齢が18歳になると、成人式も影響を受けます。現在の成人の日(1月第2月曜日)のままですと、大学受験や就職活動の時期に重なるため、今後、どの時期に行うのか、各市町村が工夫をこらすことになりそうです。
現在、一部の地方などで行われているように、夏休みや秋ごろに行うのが主流になるかもしれません。

また、現在の高校1年生は、唯一、19歳で成人を迎えるという珍しい世代になりそうです。著名人では、将棋の藤井聡太7段やフィギュアスケートの紀平梨花選手などがこれにあたります。
サッカーの日韓W杯が開催された年に生まれた世代ですね。

さて、今回の民法改正では、成人年齢に加え、さらに、婚姻可能年齢が、男女ともに18歳になりました。これまでは、男子18歳、女子16歳とされていましたが、これが統一されました。
これに合わせ、現行法では未成年者(20歳未満の者)が婚姻をするには父母の同意が必要とされていたところ、今般、成人年齢と婚姻可能年齢がともに18歳に統一されたことで、未成年者が婚姻をすることはなくなったため、父母の同意の規定は削除されました。
(ただし、施行日時点で16歳以上18歳未満の女子(現在の中1と中2の女子)は、施行日後に18歳未満でも親の同意を得て婚姻することが可能です。)

以上のとおり、成人年齢と婚姻可能年齢が、いずれも男女18歳で統一されましたので、わかりやすくなりました。もっとも、飲酒や喫煙、公営ギャンブルについては、依然として20歳未満は禁止ですので、注意が必要です。
成人式は全員がノンアルコールで乾杯となりますが、成人になったという実感があまりわかないかもしれませんね。

他方、18歳で成人として扱われることになるのに伴い、今後、消費者被害等の増加が懸念されています。この点は、消費者教育や被害救済の充実化を図るなど、将来へ向けて残された課題かと思われます。

 

2. 事業承継勉強会のご紹介

平成30年9月28日(金)、当事務所会議室において、「事業承継に関する勉強会」が開催されました。
本勉強会は、当事務所所長の中村弁護士、当事務所及び当事務所隣接のほがらか信託株式会社勤務の弁護士らが理事を務める、一般社団法人 ファミリービジネス支援機構が主催しました。
勉強会当日は、当事務所所属の弁護士や、ほがらか信託の職員ら約20名が、講師の話に熱心に耳を傾けました。
今回は、事業承継に精通した外部講師をお招きし、講演をして頂きました。
同講師は、現在、中小企業の事業再生及び事業承継に関する支援を行っており、事業承継を中心に80から130社の実務経験があるそうです。
当日の進行は、講演を1時間半行い、残りの30分は質疑応答が行われました。
パワーポイントを用いた詳細で分かりやすいレジュメが配られ、レジュメに沿ってお話が進みました。
日本の企業の大半は中小企業で、社長の平均年齢は66~67歳、一生社長でいたい人が多く、承継が難しいことは多いそうです。
実務経験に基づく講師のお話は、分かりやすく、躍動感があり、とても興味深くお話を伺いました。
講演の後半は、講師が実際に経験した事業承継の事例を紹介し、支援内容や支援結果と原状等をお話し頂きました。
講師が支援に携わった事業承継の会社の業種は多岐に亘っていましたが、依頼者の相談内容から、その事業承継に当たっての課題を分析し、的確な支援を提供されてきた講師のお話はまさにプロという印象でした。
質疑応答でも、当所の中村所長をはじめとし、多数の出席者が熱心に講師に質問をしていました。

当事務所では、今回の勉強会の他にも、所員の研鑽のため、随時勉強会を開催しております。
今後また勉強会が開催された折には、本メルマガでもご紹介させて頂きます。

 

3.民泊セミナーについて

9月号のメルマガでもご紹介いたしましたが、平成30年9月28日、埼玉県住宅供給公社様主催の民泊に関するセミナーで、当事務所所属弁護士の安江克典が『民泊の法律実務と民泊ビジネスについて』とのテーマで、講師を務めました。
マンスリーマンションと民泊の二毛作の適法性、民泊におけるトラブル事例などについてお話しをいたしました。

今、話題の民泊ですが、当事務所でも、民泊に関するご相談は増加しております。
また、今年5月に当事務所主催で行われました民泊セミナーに続きまして、今後も、当所で民泊セミナーの開催を予定しております。
こちらにつきましても、詳細が決まり次第、本メルマガでもご紹介させていただく予定です。

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